わたしと「昔ながら」。

MY SHIOKARA
STORY Vol.11

「違いは、“寝かせてる感”。
“本物の塩⾟”の味がします」

宮城県気仙沼市
三浦静佳さん

気仙沼で80年以上続く、⽼舗のお⾁屋さん「⻲⼭精⾁店」。こちらのお店では、お惣菜の材料として波座の塩⾟をお使いいただいています。「とても好評!」という話を⽿にして、波座の塩⾟を使う理由や「昔ながらの濃厚熟成塩⾟」の印象について、お店を切り盛りする三浦静佳さんに話を伺いました。

味も、⾊も濃くて、
“本物の塩⾟”の味。

「昔ながらの濃厚熟成塩⾟」を初めて⾷べた時、「本物の味がするな」と思いました。
なんだろう、⼿作りのイカ塩⾟の味。
味が濃くて、⾊も濃いでしょ。よその塩⾟とは違いますよね。
おばあちゃんが、この「昔ながら」の塩⾟が好きだったから、うちではずっと前から⾷べてます。
私が⾷べるのは、朝です。ごはんに載せて。けっこう多めにのせます(笑)。

塩⾟海苔巻きも、
お気に⼊り。

ごはんと⼀緒に海苔に巻いて⾷べるのも、美味しいんですよね。海苔巻きみたいにして。海苔と合いますよね。気仙沼のお寿司屋さんでも⾷べたことがあります。

波座・朝⽥:塩⾟を海苔で巻くのは、私もよくやります。定番ですね。
⼤根おろしと⼤葉に合わせて召し上がっていただくと、さっぱりした味わいも楽しめるので、そちらもおすすめです。

海鮮⾵味の味つけに、
「⽣造り塩⾟」は最適。

朝⽥:⻲⼭精⾁店では、お惣菜の材料として波座の塩⾟をお使いいただいてますよね。あれはいつぐらいからですか?

今⽇、店頭に並べた「海鮮豚焼きそば」は、3年ぐらい前からですね。

朝⽥:お店で⾒ていたら、「この焼きそばを買いに来た」と⾔っていたお客様がいました。

店に並べるメニューは、毎⽇11時前までにSNSに投稿するんです。あの⽅は「海鮮豚焼きそば」があると必ず来てくれます。

朝⽥:やっぱり⼈気なんですね。

すごく評判が良いです!
波座さんが以前紹介していた「塩⾟焼きそば」のレシピでは、塩⾟と醤油だけの味つけでしたよね。
うちの「海鮮豚焼きそば」では、ナンプラーも少し⾜してます。
でも、塩⾟の味だけで⼗分美味しいです。塩⾟から良いだしが、すごく出るんですよね。パスタや海鮮チャーハンでも美味しいですよ。

朝⽥:焼きそばに使っていただいているのは「昔ながら」ではなくて、「⽣造り塩⾟」のほうですが、「昔ながら」と違って、お刺し⾝のような味わいにしています。炒めると良い⾵味づけになるんですよね。
ちなみに「ぷりっとぶっといか 極うましおから」も同じ味です。「ぶっといかシリーズ」はイカの⾜は使わず、⾁厚なイカの胴⾝だけを贅沢に太切りにして使っています。プリプリした⾷感で、評判がいいんですよ。

⼀番の違いは、
「寝かせてる感」。

私が、他のメーカーの塩⾟と⼀番違うと思うのは「寝かしてる感」ですね。「熟成感」って⾔うのかな。

朝⽥:「昔ながら」のように30⽇以上も樽で⻑期熟成させているメーカーはたぶん無いと思います。
家で作るとしても⼀般的には、寝かせても2、3⽇ですね。

気仙沼の家庭で塩⾟を作る時は、出来上がってから味がなじむまで時間を置くという話は確かに聞きますね。

朝⽥:イカと肝を和えてから寝かせる時間を取らないと、味がバラバラのままなんです。
「昔ながら」の場合は樽に漬け込んで、じっくり熟成させるので、味わい深い塩⾟に仕上がります。コクが違うと思います。

旨味の濃さは、
肝の割合の多さ。

私は、味の濃い塩⾟のほうが好きなんですよね。よその塩⾟は肝の味がそんなにしないんですよね。
⾊も濃くないし、ピンクがかってるような。「昔ながら」は、⾊がとてもいいじゃないですか。「本物!」って感じがします。

朝⽥:スーパーで⾒かけるような塩⾟はだいたい、肝はあまり⼊ってないんです。中⾝の数%ほどじゃないでしょうか。味は、うま味調味料で補っているのが普通ですね。
「昔ながら」の美味しさは、肝の味。深い味わいの根源なので、全体の25〜30%は⼊れています。
「昔ながら」にも、うま味調味料は少しだけ⼊れていますが、味つけのためではなく、味を持続させる⽅法として、微量ですが使⽤しています。

よく乾燥させるからこそ、
旨味がたっぷり浸透。

作る時に、⼀夜⼲しもしてるんですよね?
知り合いでも塩⾟を作る時に、イカを⼲すと⾔ってた⼈がいました。

朝⽥:とても⼿間はかかるのですが、⼀夜⼲しにはこだわっています。
湿度の影響を受けるので、乾燥率も⽇によって変えます。すごくデリケートに調整しています。

すごい。
乾燥させるのは、やっぱり味が凝縮するからですか?

朝⽥:⼲物でも旨味が増して、美味しくなりますよね。それと同じです。
ただ⼲されることで⾝が縮むので、イカの本体は半分くらいになってしまいます。

もったいないですね(笑)

朝⽥:歩留まりが減ってしまいますので、どうしても値段も⾼くなってしまいます。
ですが、乾燥させることで、樽に漬け込んだ時には、浸透圧で肝のタレが⾝に染み込んでいき、⾝が元に戻っていくわけです。
⼀夜⼲しで旨味が凝縮された⾝に、さらに肝の旨味が染み込んで⼆重に美味しくなるんです。

なるほど〜。その説明を聞くと、どうりでこんなに美味しいんだ!って納得しますね。

取材を終えて。
波座・朝田慶太

「昔ながら」の良さを再認識できました!

元々はおばあさまが「昔ながら」を好きで買ってくださっていたので、私と知り合うずっと前から⾷べてくれていたとのこと。今回初めて知りました。うれしかったです!
「昔ながら」に感じる良さも教えていただけたので、「昔ながら」の魅⼒をあらためて考える機会になりました。ありがとうございました。

取材を終えて。

⻲⼭精⾁店

昭和11年(1936年)創業、気仙沼で80年以上続く⽼舗の精⾁店。お昼時は、店内で作るお弁当やお惣菜を求めるお客様が絶えない。気仙沼のソウルフード「気仙沼ホルモン」のオリジナル商品も⼈気で、地元の⼈が家庭⽤に買っていくのはもちろん、公式サイトをはじめ、様々なオンラインショップで販売されている。